名著を振り返る:『ソフトウェア開発201の鉄則』の 原理1「品質第1」
はじめに
名著と呼ばれる中で、私が気に入っているものに『ソフトウェア開発201の鉄則』という書籍があります。
もう20年も前の書籍なので知らない方も多いでしょうが、ソフトウェア工学に基いてソフトウェア開発の鉄則を201個にまとめたものになります。
ありそうでなかなかない内容になっているので、「名著を振り返る」シリーズとしてこの鉄則をいくつかピックアップして、私の経験の踏まえて解説したいと思います。内容をそのまま載せるのは著作権上できないのでご了承ください。
原理1「品質第1」
ソフトウェアで重要なのは、品質でしょうか。それとも納期でしょうか。
本書では、最優先されるべきは品質だと述べています。それは、品質の悪いソフトウェアに納得する顧客はいないからです。
納期と品質どちらが重要かということで、開発現場は常にギリギリの選択を求められますが、納期を優先させるのは愚策です。短期的には正しい戦略に見える納期優先ですが、長期的に見ると多大なコストを支払うことになり、顧客の信頼も失ってしまうことになります。
実際、私も経験したことがあるのですが、ソフトウェア開発を外注して上がってきたソフトウェアがひどい出来でどうしようもなくなったことがあります。例えば、通常処理すらまともに動かない状態です。
なんとか納期までに、潰せる不具合は潰したのですが、全てを潰すことはできず1年間もそのソフトウェアに関わることになってしまいました(品質があまりに悪いので外注から開発を巻き取った位)。
不具合ですから、対応から逃れられず、赤字は膨らむしいいことはなかったです。
ですので、納期と品質のどちらを優先させなければならない状況になったら、品質を優先させてください。
方法は、納期を伸ばすだけでなく、分割納品をすることや、機能制限をかけることなどいくらでも交渉の余地はあります。どうしても、納期も機能も全て求められたら、それは顧客にリスクを飲んでもらうしかありません。それくらいしないと品質は確保できないでしょう。
あと、本書では、品質は測定され、品質を高めるメカニズムを組み込むべきだと記載があったことを付記しておきます。
品質は、顧客満足だけでなく、自分達を守ることになりますので、是非がんばって品質を確保するようにしましょう。
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