『フロントエンドエンジニアのための現在とこれからの必須知識』を読んだ感想
以前、 Ajax をフルに活用して Web アプリケーションを作ったことがあったのですが、大分時間も経ったし現在の Web アプリケーションのフロントエンドがどうなっているのか知りたくて本書を手に取りました。
特に、2015年はフロントエンドの技術が格段に進んだと聞いています。ですので、本書が 2016年1月に出版されており最新の技術動向を押さえていると思ったのも購入の理由です。
さて、本書を読み終えて最初に思った感想は、「うわぁ、フロントエンドってこんなに進んでいたのか。範囲が広く深いぞ。手強い」というものでした。
でも、確かに必須知識なので、今後フロントエンドを担うエンジニアは、本書に載っている程度は浅くでもよいので身につけておく必要があるでしょうね。
本書のキモは1、4、5章だと思うので、その辺の感想を書いていきたいと思います。
第1章は、現在のブラウザの状況解説から始まり、テキストエディタの解説がされています。
紹介されているテキストエディタは、Sublime Text, Brackets, Atom でした。Visual Studio Code を取り上げてもよかったのではないかとも思います。
ブラウザ開発ツールも触れられており、特に、Google Chrome の開発ツールについての解説に力が入っています。開発者向け Google Chrome である Google Chrome Canary は興味深いですね。
バージョン管理ツールは Git 、パッケージマネージャーは npm と Bower、タスク自動化ツールとしては GRUNT と gulp の解説があります。
そして、AltCSS(CSS PreProcessor) と PostCSS(CSS PostProcessor) の解説です。この辺になると、最近の開発だなと感じますね。AltCSS は Sass などの CSS に似た構文で記述するもので、PostCSS は AutoPrefixer など CSS 作成後に最適化するものになります。
さらに、ソースコードの妥当性チェックをしてくれる Linter や、コードフォーマッターの解説があります。
正直、第1章でお腹いっぱいでした。覚えることがたくさんあります。フロントエンドエンジニアだけでなく、Web アプリケーション開発者はこれだけのことを押さえる必要があるのかと思うと大変です。
第4章は、開発のトレンドです。CSS や JS フレームワークの紹介がされています。
BackboneJS, AngularJS, React (with Flux) の解説や将来性に触れられています。これから開発するなら、React がいいのかなという印象でした。
また、AltJS として CoffeeScript, TypeScript, その他のものとして、ES2015(ECMAScript 2015) の解説があります。但し、ES2015 はブラウザのサポートが進んでいないので、Babel というコンパイラを使用して互換性を保ちます。
JS フレームワークは、何を採用するかによって大きく生産性に影響すると思うので、しっかり検証したいですね。
第5章も開発トレンドですが、今度は技術・実装になります。
Promise といった非同期処理や、Service Worker といった並列処理、HTTP/2, パフォーマンスについて解説があります。
ここまでくると、JavaScript も一端の開発言語ということができますね。
ただ、技術が分散しすぎている嫌いはあります。Microsoft なら Visual Studio で全て完結するものを(高いけど)、細々したツールを駆使して開発するというのは結構大変ではないでしょうか。
本の内容と技術そのものの感想が入り混じってしまいましたが、本書はフロントエンドを担当するのなら一度は目を通しておいて損はない良書だと思います。
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