リモートの Windows Server に簡単にファイルを送信・共有する方法
リモートにある Windows Server にファイルを送信しようとすると、一般的には FTP サーバーを立てようとします。ですが、今時、FTP なんていうパスワードを平文で送るようなプロトコルは使用したくありませんよね。
FTPS (File Transfer Protocol over SSL/TLS) で SSL で通信を暗号化して送信すればいいかというと、IIS では FTPS のサービスを提供することができるのですが、通信がデフォルトでパッシブ接続になってしまいます。
具体的にどういうことかというと、FTPS で使用するポートが動的に割り当てられてしまうため、ファイアウォールで通信の許可をするのが厳しくなります。ポートの範囲を絞る方法はあるようですが、ファイアウォールのポートを 10000 ~ 10100 という範囲で空けるなんてやりたくないですよね。
じゃあ、SSH サーバーを立てて SFTP (SSH File Transfer Protocol) で通信すればよいかと思いますが、少し調べましたが、Windows Server で SSH サーバーを立てるのはいばらの道です。というか現実的な選択肢だとはとても思えません。
ではどうすればよいか。
リモートデスクトップ接続を使えばいいのです。
リモートデスクトップは単にサーバーの画面を操作するだけではなくで、リモートサーバーとローカルマシンのリソースを共有する機能があります。クリップボードにコピーした内容を共有するのが典型的な使い方ですね。
意外と知られていないかもしれませんが、リモートデスクトップはローカルマシンのドライブをリモートサーバーと共有する機能があります。これを使えば、ローカルマシンにあるファイルは何でもサーバーに送信することができます。
具体的な方法を見ていきましょう。
動作確認した環境は、以下ようになりますが、Windows Server 2003 の頃からドライブの共有はできていたようなので、今稼働している環境ではほぼ問題なくできるでしょう。
- サーバー: Windows Server 2012 R2
- クライアント: Windows 8.1 Pro + リモートデスクトップ 6.3.9600
まず、サーバーにログインしてエクスプローラーの状態を確認します。CドライブとDドライブがありますね。
ここで、ローカルマシンのリモートデスクトップを起動して、「コンピューター」にリモートサーバー名(ここでは IP アドレス)を入力して、「オプションの表示:をクリックします。
次に、「ローカルリソース」タブをクリックし、「ローカルデバイスとリソース」にある「詳細」をクリックします。
「ドライブ」を展開して、C ドライブと、Y, Z ドライブにチェックをいれ OK をクリックし設定を保存します。なお、Y, Z ドライブはネットワークドライブになります。
コンピューターとユーザー名を確認して、「接続」をクリックします。
リモート接続を信頼するかどうか聞いてくるので、ここでは「接続」をクリックします。
パスワードの入力を求められるので、パスワードを入力して OK をクリックします。
警告がでますが、問題ないので「はい」をクリックします。
エクスプローラーを表示してみると、先ほど設定したローカルマシンのドライブがサーバーから操作することができるようになっています。
この状態から、エクスプローラーで、ファイルやフォルダの作成・コピー・移動・削除など問題なく行うことができます。権限はローカルマシンの設定に従うので、その点はご注意ください。
リモートデスクトップ接続によるドライブの共有によって、リモートの Windows Server とローカルマシンのファイルの送信・共有が簡単にできることが分かったかと思います。設定が深い部分にあるので、気がつきにくいのですよね。
(余談)
Windows Server 2012 R2 にリモート接続して画面左上の角をクリックすると、チャームを出したり、スタート画面を表示することができるようですね。これは初めて知りました。
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