8月21~24日の4日間、MicrosoftのTech・Ed 2007 Yokohama に行っていました。
今回は、Tech・Edに初めての参加でしたが、おもしろかったですね。
Tech・Edでは1つのセッションが75分なのですが、数えてみたら21セッションに参加していました。合計で、約26時間になります。
セッションの内容をいろいろ聞いていると、、今はテクノロジーの大きな転換期で、あと1~2年くらいで、システム開発の現場も、随分と変わっていくだろうと感じます。
Microsoftだけでも、非常に多くのテクノロジーが登場しますが、その中でも、以下のものは注目だと思います。
- LINQ(Language Integrated Query)
- Silverlight
- WCF(Windows Communication Foundation)
- VSTO(Visual Studio Tools for Office)
- Office Open XML File Formats
まだ、情報ベースの理解なので、うまく説明はできないのですが、概要は以下のような感じかと。
あえて、WPF(Windows Presentation Foundation)は外してますのであしからず。
■LINQ(Language Integrated Query)
LINQは、.NET Framework 3.5から登場したデータアクセス方式です。
LINQはSQL Server/XML/Object/LDAPなどのデータ形式に、統一した方法でアクセスすることができます。
例えば、SQL Serverへからデータ取得を行うには、以下のように書きます。
var titles = from t pubs.titles
where t.price >= 20.0M
select t;
コードに直接、データアクセスのステートメントが書かれていますね。
このメリットは、テーブルのフィールド名などがインテリセンスで表示されることと、通常のSQLのように実行時ではなく、コンパイル時にエラーチェックされることです。
しかも、 LINQ(正確にはLINQ to SQL)では、LINQのステートメントを最適なT-SQLに変換して実行してくれます。リレーションがからんだ複雑なものも、もちろんOK。
そして、ObjectにもLINQは同じようにアクセスができます。例えばDataSetに対しても、LINQで条件を指定してデータ抽出なんかできたりします。今までは、一度取得したDataSetは、自分でプログラムを書いて処理していたので、これは便利ですね(DataViewとかあったと思いますが)。
なんでこんなことができるかというと、LINQは、リレーショナルデータモデルやオブジェクトデータモデルのような「論理データモデル」ではなく、上位の「概念データモデル」のレベルで処理を実行しているため。
残念ながら、.NET Framework 3.5時点での、LINQ to SQL では更新機能はありませんが、講師の赤間信幸さん曰く「LINQは超大型技術」というように、まさにその通りで、今後の大きな期待が持てる技術だと思います。
(2007.8.26更新).NET Framework 3.5時点でのLINQ to SQLでも、更新機能はあるようです。小野@どっとねっとふぁんさん、情報ありがとうございます。
■Silverlight
Silverlightは、いま非常に注目されていますね。
詳しいことは、こちらを見ていただきたいのですが、Silverlightも大きな可能性を感じます。
Silverlightのインパクトはこの辺でしょうか?
- アニメーションなどFlashに負けない高度な表現力
- ブラウザのプラグインとして動作し軽く早い
- クロスブラウザ(IE/FireFox/Safari)
- クロスプラットフォーム(Windows, Mac OS X)
- 3D以外は、WPFと同じようなことができる
- C#,VB,JS,LLなど複数の言語が使える
- XAMLを介することで、デザイナーと開発者がシームレスに協業できる
- デザイナー用のExpression, 開発者用のVisual Studioとツールも分かれる
- DRMに対応
■WCF(Windows Communication Foundation)
WCFは、.NET Framework 3.0の時点で登場しましたが、WCFの持つポテンシャルも高いと思います。
WCFはサーバサイドテクノロジーですが、1つのプログラムを書けば、後は設定を変えるだけで、Webサービスでリクエストを受けたり、MSMQ/.NET Remotingなどのリクエストも受けることができるイメージかと。
で、.NET Framework 3.5のWCFは、REST/JSON/RSS/ATOMなどもサポートし、より幅が広がったようです。
■VSTO(Visual Studio Tools for Office)
業務アプリケーションにおける、VSTOのインパクトも大きそうです。
新しいVSTOでは、Office2003/2007のアドインを作成できるだけでなく、ClickOnceにも対応しました。これで、Officeのアドインでも配布作業が大幅に楽になりますね。
また、Officeのアドインには、WPFを組み込むこともできたりして、かなりいろいろできそうです。
なんだかんだいって、ユーザはOfficeを使い慣れてますし、Excelにデータが表示されれば、再加工も簡単ですからね。
■Office Open XML File Formats
これはすごーく地味ですが、業務アプリケーションの作成では、かなりの威力を発揮する可能性があります。
Open XML File Formatsは、Office 2007で標準で使用されるファイルフォーマットなのですが、XMLベースで作られているため、プログラムから更新することができます。現在は、Word/Excel/PowerPointで使えます。
しかも、過去のOfficeファイルに変換する方法もあるようなので、結構いい感じ。
サーバサイドで、ExcelなどをOLE経由でコントロールすると、サーバが落ちますからね。
サーバサイドで、うまく使えると面白そうです。
まあ、そんなこんなで、疲れたけれども、楽しい4日間でした。